バセドウ病
バセドウ病,甲状腺炎その他の甲状腺疾患

甲状腺炎

甲状腺炎の種類と病態

バセドウ病

甲状腺炎とは甲状腺炎の代表疾患として知られているのは、甲状腺機能低下症の橋本病(慢性甲状腺炎)ですね。
甲状腺炎には、その他にも亜急性甲状腺炎や無痛性甲状腺炎、急性甲状腺炎などがあります。

それぞれの甲状腺炎についてご紹介していきます。

バセドウ病に類似する甲状腺炎がある?

甲状腺炎の種類甲状腺炎には痛みの伴うもの、伴わないものや感染が原因で発症するものなど様々です。
甲状腺機能が一時的に亢進することにより、バセドウ病に似た症状を呈することもあったり、甲状腺機能が低下したりと身体が辛いだろう疾患です。

慢性甲状腺炎(橋本病)

甲状腺炎の中でも一番多いとされ、甲状腺機能低下症を引きこす原因の代表的な疾患です。
身体の中で作られた抗体が自分の甲状腺を破壊するという自己免疫疾患です。

慢性甲状腺炎は高齢者の女性に多く、家族にもみられることがあります。
甲状腺の硬化や肥大化が症状としてありますが、慢性甲状腺炎を発症した当初は疼痛などを感じません。橋本病に罹患した何割かの人には甲状腺機能の低下が確認されます。
残りの人たちの甲状腺の働きは正常ですが、そのうちの数人くらいは甲状腺機能が亢進を見せてから低下するという人もいるようです。

慢性甲状腺炎に特効薬などの治療方法はなく、甲状腺ホルモンの数値が正常値または安定した数値を見せず、甲状腺機能低下症の病状が進行すると甲状腺ホルモン剤での薬物治療をこの先も続けなければならないかも知れません。

亜急性甲状腺炎(肉芽腫性甲状腺炎)

甲状腺細胞が炎症したことにより破壊され、甲状腺内に貯留していた甲状腺ホルモンが血液中に分泌されます。
甲状腺が硬化した箇所には疼痛があります。
中高年の女性に多くみられ、子供が罹患することはないと思われます。

原因不明の亜急性甲状腺炎ですが、ウイルスが原因ではと考えられています。甲状腺は腫脹し、疼痛が現れ、疲労感とともに痛みは増していきます。
また甲状腺ホルモンが体内に多く分泌されているので、動悸や息切れなど甲状腺機能亢進症のバセドウ病と似たような症状を呈し、血液検査による診断のみではバセドウ病との判断がつかない場合があります。これらの症状は数週間〜1ヶ月程度で回復していきます。

しかし甲状腺機能が回復するまでは1〜3ヶ月ほどの時間が必要となり、その間は甲状腺ホルモンが不足した状態となります。
多くの人は正常に機能するまでに回復しますが、低下した状態が持続したままの人もいます。
甲状腺機能の回復が見られない人は、甲状腺ホルモン剤による治療を継続する必要があります。

症状が軽度ならば薬の投与で改善させますが、症状が強くなったときは副腎皮質ホルモン剤(ステロイド薬)やβ遮断薬を服用することもあります。
しかし亜急性甲状腺炎は自然と治癒する疾患なので、治癒しきるまでの症状の改善を目的とした治療になります。
また亜急性甲状腺炎が治癒した後に、海藻類などのヨードを多く含んだ食品を摂取し過ぎると甲状腺機能低下症を発病するという研究結果が報告されています。
再発は少ないとされる疾患ですが、稀に再発することがあります。

無痛性甲状腺炎
(分娩後甲状腺炎/無症性リンパ球性甲状腺炎)

無痛性甲状腺炎は、亜急性甲状腺炎と同じく甲状腺内に貯留している甲状腺ホルモンが、何か異常があったことにより血液中に流れ出します。
甲状腺ホルモンが血液中に増加し、一過性の甲状腺機能亢進症状態になりますが、この病気は自然治癒するので甲状腺機能の亢進症状は治まります。
亜急性甲状腺炎とは違い、痛みがない甲状腺炎を無痛性甲状腺炎と呼んでいます。

この疾患は、甲状腺機能低下症の橋本病に罹患している人や、バセドウ病に罹患していた人(バセドウ病に完治はないので寛解状態の人)、出産を終えた後の女性、甲状腺自己免疫疾患に関係なく発症することもあります。

体重減少や倦怠感、暑がるなどの甲状腺機能が亢進したときの症状が確認されます。
甲状腺機能亢進症であるバセドウ病と似た症状から間違えられることもあります。
しかし今では放射性ヨード摂取率という検査を行うことで無痛性甲状腺炎かバセドウ病かという鑑定が行えるので、病気にあった治療を早期に行うことが出来ます。

無痛性甲状腺炎は亜急性甲状腺炎と同じく、特別な治療は必要としません。動悸など症状が強くなったときにβ遮断薬を内服することがあります。
甲状腺機能亢進症の症状は1〜2ヶ月くらいすると今度は甲状腺機能低下症状態となります。
甲状腺機能低下症は2〜3ヶ月ほどで改善され、甲状腺機能が正常に働きだします。
しかし、極少数の人たちは甲状腺機能が改善されず、永続性のものとなる可能性があります。
その場合は甲状腺ホルモンを服用し続ける必要が出てきます。

急性甲状腺炎(急性化膿性甲状腺炎)

急性甲状腺炎は、ウイルスなど細菌感染による甲状腺を含む甲状腺周辺の急性炎症のことを言います。
唾液や食物の嚥下(えんげ:飲み込む動作)をする度に痛みが強くなっていきます。
子供によく見られる疾患で、殆どが左側に発症しています。
抗生物質の投与や、喉を切開して膿を取り出せば炎症は改善されますが、風邪に似た症状や扁桃腺炎などが続き、甲状腺の炎症が再発することもあります。

普通の人は持っていない瘻孔(ろうこう)という管を通り、咽頭から侵入した細菌が甲状腺および周辺に感染することにより炎症を起こしていました。
瘻孔は下咽頭から甲状腺に伸びていて、生まれつき持っている人がいるようです。
原因とされる瘻孔を発見した医師は、これを「下咽頭梨状窩瘻(かいんとうりじょうかろう)」と名称付けています。

治療として抗生物質の投与や、甲状腺の炎症が再発するケースには瘻孔の摘出術を行います。
手術に関しては、反回神経に損傷を与えると嗄声が起きたり、瘻孔がすべて摘出されないと炎症の再発を繰り返すような状態になりますが、完全に摘出されれば再発の恐れはありません。

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